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タグ偽装について 

2024年10月02日
投稿者:谷次 賢也
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【間人ガニタグ偽装事件について】
4月にニュースでも大きく取り上げられた間人ガニタグ偽装事件についてお話ししたいと思います。

この件についてご存知の方も多いかと思いますが、私たちが考える問題の本質について
お伝えさせていただきます。

 そもそもの背景

偽装そのものは許される行為ではありませんが、この問題の根本的な原因は、同じカニであるにもかかわらず、港やタグの色で、あたかも別物のように扱われる現状にあると考えています。

特に間人ガニの場合、約30年前にテレビで「幻のカニ」として紹介され、その希少価値が過度に強調されました。これが広まるにつれて、他の港で揚がるカニとは異なる特別な味わいを持つカニのように、テレビやメディアで取り扱われるようになったのです。

 需要の急増とブランド信仰

その結果、元々水揚げが少ない間人ガニは、需要が大きく膨らみました。この状況に拍車をかけたのが、日本人特有の「ブランド信仰」です。希少性やブランド価値に対する過度な信頼が、消費者の間で広がり、今回のような偽装問題に発展したと考えられます。

 タグ管理の問題

さらに問題を複雑にしたのは、タグの管理が漁師さん側に委ねられていたことです。
本来、厳格に管理されるべきタグの管理を行う立場にあった京都府漁協が確実な管理を行っていれば、今回のような事件は防げたのではないかと考えます。
このような体制の不備が偽装事件を引き起こした一因でもあると言えるでしょう。

 私たちの考え

私たちとしては、同じカニであるにもかかわらず、メディアや消費者の期待が実態と乖離している状態が長年続いていたことが、この問題を引き起こした原因の一つであると感じています。正直なところ、このような事態が発生することは、いつかは避けられないと感じていましたが、今回の形で問題が表面化したことは非常に残念でなりません。

この出来事を機に、消費者の皆さまにはカニの本質的な価値を理解していただき、今後はより正しい選択がなされることを心から願っております。

引き続き、本質にのっとり、これからも品質にこだわったカニを提供して参ります。
皆さまに安心してご購入いただけるよう、日々努力してまいります。

この記事を書いた人

谷次 賢也
1962年生まれ。松葉ガニ専門店  京都丹後 海鮮の匠 魚政の司令塔。 こだわり派向けの良品から、簡単に食べられる加工商品も開発し、幅広く取り扱い。蟹の他にも、海産物を通じて 地域発信! プロ アマ問わず 全国の本物志向のお客様に提供しています! 趣味は、美味しい魚や蟹を食べる事(笑)

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