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悲しき蟹の性?? 【松葉ガニ解禁まで あと20日】

2018年10月17日
投稿者:谷次 賢也
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セコ蟹のお腹の中です。

①は、受精嚢と呼ばれる いわゆる精子の袋

②は、皆さんご存じの内子。 これが、卵巣

③は、外子で、これが受精卵。(受精卵で良いのかな?)

簡単にいえば、体内で精子と卵子が受精して、外子になって腹節と呼ばれる腹の中に孵化、放卵するまで、守られ育ちます。

外子の卵が、内子。つまり、内子は、卵の卵という訳です。

こういう観点は、あまり知られていないと思います。

今度 セコ蟹を食べられる時は、甲羅を外していただければ、白い袋状の受精嚢が確認出来ると思います。 フグと違い あまり美味しくはありませんが、食べられますよ(笑) 食べられないのは、ふんどしと呼ばれる エラだけです。

最終脱皮を終えた セコ蟹は、交尾して 生涯 5~6回 産卵し、その度に交尾する訳ではなくて、蓄えた精子を少しづつ使用して、産卵します。

当初は、交尾は、一回だけと言われた時期もありましたが、研究が進むにつれて数回 交尾をしている蟹もあるようです。

1回の交尾だけで、数年精子を蓄え、自ら産卵する機能を持つとは、それだけ 海底で雄と雌が出会える可能性が少なく、そのような生態になっていたものと考えられています。 何かしら必然性の理由があります。

でも、蟹さんも 1度交尾したら、数年会わなくても大丈夫とは、悲しい性の活き物ですね(笑)

【松葉ガニ解禁まで あと20日】

この記事を書いた人

谷次 賢也 京都丹後 海鮮の匠 魚政 代表
両親の背中を見て育ち、魚と共に生きることを学びました。 その暮らしの積み重ねが、今の私の原点です。 京都府北部・丹後半島で創業70年。 地元漁港から松葉ガニ(ズワイガニ)やセイコガニ(香箱ガニ)を中心に、 新鮮で確かな海の幸を全国へお届けしています。 魚政BLACKは、40年の現場経験をもとに立ち上げた魚政の最高品質ブランドです。 「一杯ごとに責任を持つ」を信条に、仕入れから加工・出荷までを一貫して担当。 ズワイガニの供給卸元として、全国の料亭・旅館、そしてご家庭へ確かな品質をお届けしています。 海と共に生き、魚と共に歩んできた時間を、 これからも「安心と信頼」というかたちで次の世代へつないでいきます。

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